最近、若い人たちは、「手紙はめったに書かないのに、皆、電子メールだと、急にマメになっちゃう」といいます。
ということは、ますます手紙を書く人が少なくなりつつあるということだが、手紙には日本人らしい習慣が数多く残っています。
たとえば便せん一枚の手紙には、もう一枚、白紙の便せんをそえるというのも、そのひとつ。
一見、ムダとも思える習慣だが、じつは相手に敬意を表するという意味が隠されているのです。
こんな説があります。
その昔、手紙のなかに相手の名前がでてくると、相手への敬意を示すため、一文字分をあけて書く習慣がありました。
これが転じて、手紙の最後に「謹空」と書き入れる習慣になりました。
「謹空」とは恐れ多いので空白にしますという意味で、じっさい、そのあとを空白にして手紙をだした。
奈良時代から平安時代にかけての習慣で、あの弘法大師の文章にも、この文字がみられます。
つまり、昔から、最後の空白が相手に対して敬意をあらわすことだった。
この習慣が変化しながら現在まで伝わり、一枚で終わるのは相手に失礼とされました。
そして、いつごろからか、白紙の便せんをそえるようになったといいます。
電子メールもいいけれど、相手のことを思いやる手紙も、たまには書いていただきたいものです。